文旦ってなに?
ブンタンは漢字で「文旦」と書き「ザボン」や「ボンタン」などとも呼ばれる果物です。 暖かい地方で栽培される大きな柑橘類で、原生地は中国や台湾とされいて、江戸時代に日本に伝わったと伝えられています。 皮が厚く独特の香りを放ち、爽やかな甘さと酸っぱさ、ほろ苦さがあり、文旦は柑橘ファンに根強い人気です。果肉は白いものだけでなく赤い種類もあります。では、文旦の栄養と効能についてお伝えしていきます。
▶︎『アンチエイジングに嬉しい - 文旦のビタミンCの効能』
文旦はビタミンCが豊富。その量はみかんの約1.4倍も多く含みます。
ビタミンCは、抗酸化作用を持つ栄養です。活性酸素の発生や酸化力を抑え、動脈硬化、皮膚や血管の老化を防ぎ、免疫力を高めます。この作用には、脳卒中・心筋梗塞・動脈硬化、がんなどを予防する効能が期待されています。 また、体の細胞や組織をつなぐ働きをするコラーゲンをつくる栄養でもあるので、シミやシワを防ぎ、さらに皮膚や粘膜を健全に保もって美肌作りにも役立ちます。 この他、ビタミンCは副腎皮質ホルモンを生成して、ストレスへの抵抗力を高める作用もあります。また、鉄分の吸収率を高めるので間接的に貧血の予防にも役立ちます。
▶︎『免疫力アップ- 豊富に含まれるシネフィリン』
文旦の栄養成分の中にはシネフィリンという物質も多く含んでいます。シネフィリンは風邪予防の効能があります。気管支をゆるめる働きがあるので、のどの風邪には特に有効です。声を出しやすくする効果もあるので、風邪でなくても発表会などの時にはいいかもしれませんね。
また、シネフィリンには脂肪燃焼効果や食欲抑制効果が期待されています。アドレナリンやノルアドレナリンなどの交感神経を刺激するホルモンの働きを活性化し、脂肪の分解や代謝を高めてくれるので、ダイエットの強い味方です。
▶︎『文旦のペクチンの効能 - おなかの調子を優しくケア』
糖尿病予防も文旦の薄皮の部分にはペクチンが多く含まれています。 ペクチンは、水溶性の食物繊維です。整腸作用があるのでお腹の調子を整え、下痢や便秘を予防してくれます。
また、血液中の悪玉コレステロールを下げる働きがあり、動脈硬化や心筋梗塞、糖尿病の予防に役立ちます。
▶︎『食欲抑制 - 苦み成分ナリンギンの作用』
文旦の外皮や果肉を包む薄皮の部分にも栄養は含まれています。その中には、苦味成分であるナリンギンが含まれています。ナリンギンには食欲を抑える効果があるので、肥満防止やダイエットに効果があります。
その他、ナリンギンには免疫亢進作用がありアレルギーを抑制する働きや、自然の下剤効果もあるので便秘対策にも効きます。
また、血中脂肪酸の分解作用などもあると考えられています。シネフリンの脂肪燃焼効果、ペクチンの便秘の解消などの効果が合わさって、よりダイエット効果が高まると言えるでしょう。
《100gあたりの成分情報》
・文旦の果皮、じょうのう膜及び種子を除いた、生の砂じょうに含まれる成分量
(目安は画像のお皿上、約1個分)
エネルギー/ 38kcal
水分/ 89g
たんぱく質/ 0.7mg
脂質/ 0.1mg
炭水化物/ 9.8mg
灰分/ 0.4mg
飽和脂肪酸/ 0mg
不飽和脂肪酸/ 0mg
コレステロール/ 0mg
食物繊維/ 0.9mg
ビタミンC/ 45mg
カロテン/ 15μg
ビタミンE / 0.5mg
ビタミンB1/ 0.03mg
ビタミンB2/ 0.04mg
ナイアシン/ 0.3mg
葉酸/ 16μg
パントテン酸/ 0.32mg
ナトリウム/ 1mg
カリウム/ 180mg
カルシウム/ 13mg
マグネシウム/ 7mg
リン/ 19mg
鉄/ 0.1mg
〔令和4年度〕日本食品標準成分表より
▶︎『まだある! 文旦の栄養、効能や効果とは?』
文旦には上記以外にも、含まれる栄養や期待される効能や効果があります。 疲労回復に重要な働きをしてくれるクエン酸をはじめ、貧血予防に役立つ葉酸など、数多くの栄養素を含んでいます。貧血には鉄分も重要ですが、文旦は鉄分の吸収を高めるビタミンCも含むので、貧血の予防のサポートになるでしょう。 そして、ビタミンB郡も含んでいます。エネルギーをつくり出すビタミンB1や細胞の新陳代謝を促進するビタミンB2。 さらに、ナイアシンやパントテン酸の効能や効果には、脳神経を正常に働かせたり、動脈硬化やストレスをやわらげる作用があります。
▶︎『文旦のお召し上がり方』
ピール(果皮)や白い部分はマーマレードや砂糖漬けに、文旦は日持ちがいい果物なので、長く楽しめ贈り物などにも向いています。
皮は厚くむきにくいので、ナイフなどで切れ目を入れるとむきやすくなります。 文旦は果肉にも皮にも多くの栄養が含まれています。
皮は砂糖で煮てマーマレードといったジャムにすることができます。
また、果皮の内側にある白い部分を砂糖漬けにすることで、余すことなく文旦を食べることができます。